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せっかくの土日に箱根へ行こうと決めたのに、モデルコースをいくつも読むほど、どれを選べばいいのか分からなくなっていませんか。
- 車なしで回りきれるかの不安
- 似たモデルコースの選びにくさ
- 箱根フリーパスを買うかの判断
- 泊まる場所の決め方
- 1泊2日の費用は3万〜5万円が目安

箱根って乗り物が多くて楽しそうですよね。でも車なしだと、移動でへとへとになりませんか……。

いい勘です。箱根は観光より移動のほうが長いんですよ。だから、コースより先に宿の場所を決めます。
結論からお伝えします。箱根の1泊2日は、どこに泊まるかで移動時間が1時間以上変わります。芦ノ湖と大涌谷を結ぶ乗り物が一本道のように並んでいるため、宿の位置がそのまま回る順番を決めてしまうからです。
この記事では、東京からの行き方の比較、箱根フリーパスの損得、1泊2日のモデルコース、一人でも泊まれる宿、費用の目安までを一本にまとめました。実際に泊まって回ったときの写真と、乗り物ごとの所要時間もあわせて載せています。
読み終えるころには、どこに泊まり、どの順番で回り、いくらかかるのかが決まっているはずです。
箱根が車なしで回れる理由

箱根は山の中に広がる観光地です。駅から観光地までが遠いのではないか、車がないと現地で詰むのではないか。そう身構える気持ちはよく分かります。ところが箱根は、公共交通だけでほぼ完結する珍しい場所です。5種類の乗り物が一本の輪のようにつながっていて、その輪の上に主要スポットが順番どおりに並んでいるからです。ここでは、その仕組みと、それでも「きつい」と言われてしまう理由を先に押さえておきます。
1枚で乗れる8つの乗り物
箱根の移動は、切符1枚にほぼ集約できます。小田急が発行する箱根フリーパスは、箱根エリアの8つの乗り物を乗り降り自由にするパスです。乗り換えのたびに券売機へ並ぶ必要がなくなります。
| 乗り物 | 主な区間 |
|---|---|
| 箱根登山電車 | 箱根湯本〜強羅 |
| 箱根登山ケーブルカー | 強羅〜早雲山 |
| 箱根ロープウェイ | 早雲山〜大涌谷〜桃源台 |
| 箱根海賊船 | 桃源台〜元箱根〜箱根町 |
| 箱根登山バス | 指定区間 |
| 観光施設めぐりバス | 強羅〜仙石原〜桃源台 |
| 小田急ハイウェイバス | 指定区間 |
| 東海バス | 指定区間 |
※箱根ナビ(小田急箱根)公式の掲載内容にもとづきます。
1泊2日で実際に使うのは、上から5つまでです。残りの3つは、仙石原の美術館へ寄るときや、御殿場・三島の側から箱根に入るときに効いてきます。
一直線に並ぶ主要スポット
もうひとつの理由は地形にあります。箱根の主要スポットは、標高を上がって下りる一本の線の上にほぼ並んでいます。順番に乗り継いでいくだけで、有名どころを取りこぼしません。
- 箱根湯本(温泉街・登山電車の起点)
- 彫刻の森(美術館まで駅から徒歩2分)
- 強羅(標高約541m・宿が集まるエリア)
- 早雲山(標高約750m・ケーブルカーの終点)
- 大涌谷(噴煙と黒たまご)
- 桃源台(芦ノ湖の北端・海賊船の発着港)
- 元箱根(箱根神社と平和の鳥居)
強羅から早雲山までは、わずか約1.2kmで標高差が約209mあります。歩いて登る距離ではありません。この高低差を、ケーブルカーとロープウェイがそのまま肩代わりしてくれます。こうして箱根登山電車・ケーブルカー・ロープウェイ・海賊船・登山バスの5つを乗り継ぎ、強羅・大涌谷・芦ノ湖(元箱根)を回って湯本へ戻ってくる一周ルートを、小田急箱根は「箱根ゴールデンコース」と呼んでいます。1960年のロープウェイ全線開業で完成した定番コースで、2025年9月に開通65周年を迎えました。
車なしがきつい本当の理由
ここまでだと、車なしでも何も困らないように見えます。ただ、実際に一周してみると引っかかる点がありました。まず、乗り物に乗っている時間を足してみます。
| 区間 | 乗り物 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 箱根湯本→強羅 | 箱根登山電車 | 約40分 |
| 強羅→早雲山 | 箱根登山ケーブルカー | 約10分 |
| 早雲山→大涌谷 | 箱根ロープウェイ(1区間) | 約10分 |
| 大涌谷→桃源台 | 箱根ロープウェイ(2区間) | 約20分 |
| 桃源台→元箱根 | 箱根海賊船 | 約25分 |
| 元箱根→箱根湯本 | 箱根登山バス | 約30分 |
| 乗車時間の合計 | 約2時間15分 |
※箱根ロープウェイは4駅あり、各区間の所要時間が約10分です(箱根ナビ公式)。海賊船は桃源台港と元箱根港・箱根町港を約25〜40分で結びます。箱根登山電車の箱根湯本〜強羅は8.9kmを約40分、元箱根港〜箱根湯本駅のバスは約25〜30分です。
これに乗り継ぎの待ち時間が乗るので、実際には2時間45分ほどになります。一方、筆者が箱根神社と平和の鳥居、大涌谷で過ごした時間は、合わせて1時間20分ほどでした。つまり移動が観光の約2倍です。
ただ、移動が長いこと自体は、じつはたいした問題ではありません。登山電車もロープウェイも海賊船も、座っていれば窓の外に景色が流れます。箱根では乗り物そのものが観光です。きついのは、その2時間45分のあいだ、旅行の荷物を持ち続けている場合です。
- 車あり:荷物はトランクに置いたまま
- 車なし:5回の乗り継ぎを荷物ごと移動
- 差が出るのは移動時間ではなく荷物
車があれば、荷物はトランクに置いたままにできます。車なしだと、5回の乗り継ぎすべてを荷物ごと移動することになります。改札、階段、乗り場、そして大涌谷の坂道。「箱根は車なしだときつい」と言われるとき、実際に起きているのはたいていこれです。
裏を返せば、荷物さえ最初に切り離してしまえば、この2時間45分は景色を見ている時間に変わります。そして荷物を切り離せるかどうかは、どこに泊まるかでほぼ決まる。だからこの記事は、コースより先に宿の場所を決めます。
東京から箱根への行き方

箱根への行き方は、大きく分けて5つあります。どれを選んでも箱根には着きますが、片道の料金は1,261円から3,440円まで、およそ2.7倍の開きがあります。いちばん速い手段といちばん遅い手段では、所要時間が1時間半近く違います。そしてもうひとつ、見落としやすい違いがあります。高速バスだけ、降りる場所が箱根湯本ではありません。ここでは5つを実数で並べたうえで、どこから出発する人がどれを選ぶと素直なのかまで決めます。
新宿発ならロマンスカー
新宿から出るなら、小田急ロマンスカーがいちばん素直です。新宿から箱根湯本まで乗り換えなしの直通で、所要75分。全席指定なので、土日でも座れないという事態が起きません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 特急料金(チケットレス) | 1,150円 |
| 特急料金(紙の特急券) | 1,200円 |
| 運賃(ICカード) | 1,261円 |
| 片道の合計(チケットレス+IC) | 2,411円 |
※小田急電鉄の公式料金表にもとづきます(2026年9月時点)。
ネットで特急券を買うと50円安くなります。金額としては小さいものの、駅の窓口に並ばずに座席を押さえられる点のほうが効いてきます。
快速急行とJR東海道線
特急料金を払わない選択肢は2つです。小田急の快速急行なら、同じ新宿発で片道1,261円。ロマンスカーとの差は1,150円で、約45分です。新宿から小田原まで直通の便を選び、小田原で箱根登山電車に乗り継ぎます。
注意したいのは、小田原での乗り継ぎ時間です。経路検索で調べると、小田原に10時52分に着いて箱根登山電車が11時13分発という組み合わせもありました。待ち時間が20分ほど乗るので、ロマンスカーとの実際の差はもう少し開きます。
東京駅や品川駅の側に住んでいるなら、JR東海道線のほうが近道になります。東京から小田原まで直通で1時間19分、ICカードで1,595円。ここから箱根登山電車で360円を足して、合計1,955円です。
新幹線と高速バスの使いどころ
残る2つは、目的がはっきり分かれます。5つのなかで所要時間がいちばん短いのは新幹線で、東京から箱根湯本まで約1時間です。ただし片道3,440円かかるので、朝いちばんに出て少しでも長く箱根にいたい日に絞る手段になります。
この約1時間という数字は、東京から小田原までの33分に、小田原での乗り継ぎと箱根登山電車の約15分を足したものです。乗り換えが1回増える分、ロマンスカーの直通よりは慌ただしくなります。
高速バスは小田急ハイウェイバスが走っていて、バスタ新宿から箱根桃源台まで2,560円です。ただし、ここだけは性格が違います。
| 出発地 | 手段 | 所要時間 | 片道料金 | 着く場所 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 新幹線こだま+箱根登山電車 | 約1時間 | 3,440円 | 箱根湯本 |
| 新宿 | 小田急ロマンスカー | 75分 | 2,411円 | 箱根湯本 |
| 東京 | JR東海道線+箱根登山電車 | 約1時間47分 | 1,955円 | 箱根湯本 |
| 新宿 | 小田急 快速急行+箱根登山電車 | 約2時間6分 | 1,261円 | 箱根湯本 |
| バスタ新宿 | 小田急ハイウェイバス | 約2時間25分 | 2,560円 | 箱根桃源台 |
※料金は小田急電鉄・小田急ハイウェイバスの公式サイト、所要時間は各社公式とYahoo!路線情報の検索結果(2026年9月時点)にもとづきます。
高速バスが着く桃源台は、芦ノ湖の北端です。箱根湯本とは反対側になります。つまり高速バスを選んだ時点で、回る順番が逆から始まることになります。この違いは後で効いてくるので、頭の片隅に置いておいてください。
ここまで乗り換えの話をしてきましたが、本当に効くのは荷物です。箱根は現地でも5回乗り継ぐ土地なので、大きなスーツケースを引いたまま回るのは、行き方をどれにしても厳しいところ。箱根湯本駅には、預けた荷物を宿まで届けてくれる箱根キャリーサービスがあります。普通サイズで片道1,500円。宿の決め方とあわせて、あとの章で整理します。
箱根フリーパスの損得

箱根フリーパスは、新宿発の2日間で7,100円です。安くはありません。買うべきかどうか決めきれないまま当日を迎える人も多いはずです。判断の方法はひとつだけ。自分が乗る区間の正規運賃を積み上げて、7,100円と比べる。それだけです。ここでは公式の運賃表を使って、この記事のコースをそのまま実費で計算してみます。結論を先に書くと、ゴールデンコースを一周するなら買ったほうが得です。逆に箱根湯本の温泉街だけで過ごす日は、買うと損をします。
新宿発7,100円に含まれるもの
まず中身を正確に押さえます。箱根フリーパスは、小田急線の往復乗車券と、箱根エリア8つの乗り物の乗り放題がセットになったきっぷです。発駅によって値段が変わります。
| 発駅 | 2日間 | 3日間 |
|---|---|---|
| 新宿 | 7,100円 | 7,500円 |
| 町田 | 6,820円 | 7,220円 |
| 藤沢 | 7,050円 | 7,450円 |
| 小田原 | 6,000円 | 6,400円 |
※箱根ナビ(小田急箱根)公式の掲載内容にもとづきます(2026年9月時点)。
新宿発と小田原発の差は1,100円です。新宿から小田原までの運賃は片道901円なので、往復すると1,802円。つまり新宿発を買えば、小田急線の往復が1,100円で付いてくる計算になります。
注意点が2つあります。ひとつは、ロマンスカーの特急料金は別払いだということ。もうひとつは、小田急線の区間に乗れるのが往復1回までという点です。なお箱根エリア内は何回でも乗り降りでき、約70カ所の観光施設で入場料などの優待も受けられます。
実費で積むと8,482円
では、この記事で組む一周ルート——箱根ゴールデンコース——を正規運賃で積み上げます。公式の運賃表どおりに計算すると、合計は8,482円になりました。フリーパスとの差は1,382円です。
| 区間 | 乗り物 | 正規運賃(特急料金を除く) |
|---|---|---|
| 新宿→小田原 | 小田急線 | 901円 |
| 小田原→箱根湯本 | 箱根登山電車 | 360円 |
| 箱根湯本→彫刻の森 | 箱根登山電車 | 460円 |
| 彫刻の森→強羅 | 箱根登山電車 | 160円 |
| 強羅→早雲山 | 箱根登山ケーブルカー | 430円 |
| 早雲山→大涌谷→桃源台 | 箱根ロープウェイ | 2,000円 |
| 桃源台→元箱根 | 箱根海賊船 | 1,700円 |
| 元箱根→箱根湯本 | 箱根登山バス | 1,210円 |
| 箱根湯本→小田原 | 箱根登山電車 | 360円 |
| 小田原→新宿 | 小田急線 | 901円 |
| 合計 | 8,482円 |
※運賃はいずれも箱根ナビ・小田急電鉄の公式運賃表(2026年9月時点)。小田急線はICカード運賃です。
この8,482円は運賃だけの合計で、快速急行で行く場合の金額です。ロマンスカーに乗るなら、ここに特急料金が片道1,150円(チケットレス)加わります。そしてフリーパスを持っていても特急料金は別払いなので、どちらの側にも同じ金額が乗ることになります。
| 行き方 | 実費の合計 | フリーパス利用時 | 差 |
|---|---|---|---|
| 快速急行(運賃のみ) | 8,482円 | 7,100円 | 1,382円お得 |
| ロマンスカー(往復の特急料金2,300円込み) | 10,782円 | 9,400円 | 1,382円お得 |
つまりロマンスカーを使うかどうかは、フリーパスの損得を1円も変えません。特急料金はきっぷの有無にかかわらず同じだけかかるためです。判断材料になるのは、箱根エリアでどの乗り物に乗るかだけ。この記事の費用の章では、ロマンスカーを使う前提の9,400円で計算していきます。
計算していて驚いたのが、箱根ロープウェイでした。早雲山から大涌谷、桃源台まで、どの区間で降りても片道2,000円の均一運賃で、しかも途中下車ができます。早雲山から乗って大涌谷で降り、黒たまごを食べてから桃源台へ向かう。これが1枚の切符で成立します。
一方で、いちばん高いのもこのロープウェイです。海賊船の1,700円と合わせると、この2つだけで3,700円。一周コースの実費の4割以上を占めます。
フリーパスを買わなくていい人
逆に、買うと損をする人もはっきりしています。箱根湯本の温泉街だけで過ごすなら、往復2,522円で足ります。フリーパスの3分の1です。
| 過ごし方 | 実費 | フリーパスとの差 |
|---|---|---|
| 箱根湯本の温泉街と日帰り温泉のみ | 2,522円 | 4,578円の損 |
| 湯本+彫刻の森美術館まで | 3,442円 | 3,658円の損 |
| ゴールデンコースを一周 | 8,482円 | 1,382円の得 |

フリーパス、結局買ったほうがいいんですか?

分かれ目は、ロープウェイと海賊船に乗るかどうかです。この2つに乗るなら買う。乗らないなら買わない。
それだけ覚えておけば迷いません。
高速バスで桃源台から入る人も気をつけてください。新宿発のフリーパスには小田急線の往復が含まれているので、電車に乗らないなら、その分がまるごと無駄になります。この場合は現地で小田原発のもの(6,000円)を買うほうが筋が通ります。
宿は強羅か小涌谷に取る

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。箱根の1泊2日は、コースを決める前に宿の場所を決めてください。どこに泊まるかで、1日目の午後をどう使えるかが変わるからです。結論としては強羅・小涌谷エリアを推します。駅から歩ける宿が多く、1日目に湯本から直行してすぐチェックインできるうえ、一人でも泊まりやすい価格帯の宿がそろっているからです。ここでは宿の選び方と、楽天トラベルで実際に調べて分かったことをまとめます。
泊まる場所でルートが決まる
箱根の主要スポットは、湯本から強羅、大涌谷、芦ノ湖へと一本の輪でつながっています。この輪のどこに泊まるかで、1日目と2日目、どちらの荷物が身軽になるかが変わります。強羅・小涌谷に泊まると、1日目は宿に直行して手ぶらになれます。
| 泊まる場所 | 2日目の回り方 | 移動時間 | 2日目の荷物 |
|---|---|---|---|
| 強羅・小涌谷 | 正回り(強羅→大涌谷→芦ノ湖→湯本) | 約1時間35分 | キャリーサービスで湯本受け取り |
| 箱根湯本 | 逆回り(湯本→芦ノ湖→大涌谷→湯本) | 約2時間15分 | 宿に預けて手ぶら |
強羅・小涌谷に泊まると、2日目の移動は40分短くなります。ただし2日目のルートは湯本で終わるので、朝に出た宿へは戻りません。そのぶん、荷物は宿に置いていくのではなく、あとで説明するキャリーサービスの復路を使って湯本駅で受け取る形になります。
逆に湯本に泊まれば、2日目は出た場所にそのまま戻ってこられるので、宿に預けたまま身軽に回れます。ただし1日目のうちに湯本からさらに強羅方面へ移動する時間が必要で、宿の選択肢も少ないのが難点です。この記事では、1日目の身軽さと宿の選びやすさを優先して、強羅・小涌谷を推します。
駅から徒歩圏を選ぶ理由
強羅・小涌谷に泊まるなら、条件がひとつ付きます。強羅駅や小涌谷駅から歩ける宿を選んでください。荷物を持って坂道を歩く時間が、そのまま観光の時間を削るためです。
強羅は駅から標高が上がる坂の途中に宿が点在するエリアです。駅から徒歩3〜5分の宿なら、重い荷物を引いてもすぐに着きます。逆に徒歩10分を超えると、送迎バスの時刻に合わせる必要が出てきます。
小涌谷側の宿も同じです。駅から徒歩8分程度までなら現実的ですが、それを超える宿は送迎バスか共同バスとセットで考えたほうが無難です。
荷物は先に預ける
強羅・小涌谷を推すもう一つの理由が、箱根湯本駅の荷物サービスです。箱根湯本駅には、荷物を宿まで運んでくれるキャリーサービスがあります。往路で使えば、1日目のうちに手ぶらで強羅・小涌谷へ向かえます。
| 預け先 | 料金 | 受付の締め切り |
|---|---|---|
| 宿に直接持ち込む | 無料 | 駅から徒歩圏の宿ならこれでも十分 |
| 箱根キャリーサービス(往路) | 1,500円(大型2,500円) | 駅で12時まで受付・宿で15時以降に受け取り |
| 箱根キャリーサービス(復路) | 1,500円(大型2,500円) | 宿で10時まで受付・駅で13時30分〜19時に受け取り |
| コインロッカー | 数百円〜1,000円程度 | 駅構内に4か所 |
※料金と受付時間は箱根ナビ(小田急箱根)および箱根キャリーサービス公式予約サイトの記載にもとづきます。コインロッカーの料金は情報源によって幅があるため目安です。
強羅・小涌谷に泊まる場合、2日目はこの復路サービスが実質必須になります。宿で10時までに受付を済ませれば、湯本駅で13時30分以降に受け取れます。正回りで湯本に戻るのが15時ごろなので、時間には十分な余裕があるはずです。
一人で泊まれる宿の探し方
ここからは一人旅の場合の話です。調べていて、落とし穴をひとつ見つけました。

「一人旅向けの温泉宿」から選べば大丈夫ですよね?

楽天トラベルの「一人旅向けの温泉宿」は、一人で泊まれる宿の一覧ではありません。
楽天トラベル自身がページの冒頭にこう注記しています。「一人旅向けの温泉宿は『シングルルームのある温泉宿』の一覧を表示しています」。つまり部屋の定員が1人からというだけで、その日に1名で予約できる保証はありません。
- 「一人旅向け」はシングルルームがある宿の一覧
- その日に1名で予約できる保証ではない
- 1室の料金を1人で負担する分、割高になりやすい
実際に強羅の宿で確かめました。箱根七瀬の「大人の一人旅」シングルStayプランは、1泊2食付44,405円(2026年11月14日で実測)。一人旅向けをうたうプランでも、1室分の料金がそのまま1人にかかる作りなので、強羅・小涌谷の温泉旅館は一人泊が構造的に割高になります。
予算に応じて選ぶ2軒
そこで、一人泊で無理のない価格帯かどうかを軸に、強羅・小涌谷エリアを口コミと料金で調べ直しました。評価が高く、価格帯が離れた2軒が見つかったので、予算に応じてどちらかを選ぶ形にします。
| 宿 | 楽天の評価 | 1名1泊の料金(税込) | 駅から | 食事 |
|---|---|---|---|---|
| 温泉民宿 三花月 | 4.74(217件) | 9,900円〜12,800円 | 公園下駅徒歩7分・強羅駅徒歩14分 | 素泊まり/朝食付 |
| 温泉ホテル強羅館 | 4.42(218件) | 31,900円 | 強羅駅徒歩3分 | 夕朝食付 |
※楽天トラベルの掲載値(2026年12月上旬の週末・大人1名1室で実測)。実際の料金は日程によって変わります。
- 予算重視:三花月(朝食付12,800円〜)
- 設備・立地重視:強羅館(駅徒歩3分・2食付31,900円)
予算を優先するなら三花月です。全6室の小さな民宿で、大涌谷から引いた白濁の源泉かけ流しを24時間楽しめます。朝食付プランでも12,800円に収まるので、夕食は強羅の街で好きな店を選べます。ただし駅からは公園下駅で7分、強羅駅からだと14分かかるので、徒歩圏にはやや余裕を見てください。

施設が清潔で、酸性泉の泉質もとても良かったです。朝食のベーコンエッグと小田原の鯵の干物が絶品でした。
宿の設備や立地を優先するなら強羅館です。強羅駅から徒歩3分と近く、無料の貸切露天風呂があり、夕朝食付きで31,900円。夕食まで宿の中で完結するので、食べ終えたらそのまま部屋へ戻ってゆっくりできます。交通費などを含めた総額は、後の費用の章で確認してください。

お食事も貸切温泉も客室も、すべてが期待以上でした。価格以上の価値を感じられる宿です。
どちらも一人1室での予約が可能でしたが、部屋数が少ない宿ほど早めに埋まります。日程が決まった時点で候補を2つとも検索し、空きがあるほうを押さえるのが確実です。
【1日目】美術館に寄りながら強羅へ

チェックインの時刻を気にしすぎると、1日目の午後がもったいなくなります。箱根湯本に着いたら、バスでガラスの森美術館と彫刻の森美術館を回りながら、そのまま強羅の宿へ向かう。これだけで1日目は十分に埋まります。ここでは寄り道の順番と、宿に着いてからの過ごし方をまとめます。
ガラスの森から彫刻の森の順で回る
美術館に寄るなら、順番が肝心です。箱根湯本駅からバスで先にガラスの森美術館へ向かい、帰りに彫刻の森美術館へ寄ります。逆にすると、来た道を戻る形になり、移動がかさみます。
- 箱根湯本駅→ガラスの森美術館:箱根登山バス約25分・950円(箱根フリーパスの対象区間)
- ガラスの森美術館→彫刻の森美術館:観光施設めぐりバス約20分(強羅駅を経由)
どちらも乗り換えなしで着くので、身構える必要はありません。彫刻の森行きの便は強羅駅も経由するので、寄らずそのまま強羅の宿へ向かうこともできます。
この記事の費用と時間の計算には、どちらの入館料も含めていません。時間に余裕があれば寄る、という位置づけで考えてください。
強羅泊だからこの順番が組める
この回り方が成立するのは、強羅・小涌谷に泊まるからです。湯本に宿を取る場合、いったん仙石原まで出た後に湯本方面へ戻ることになり、往復が発生します。
強羅泊なら、ガラスの森から彫刻の森へと進むだけで、そのまま宿に近づいていきます。戻る区間がないぶん、同じ時間で2つの美術館を回れるわけです。
強羅の宿にチェックインする
彫刻の森を見終えたら、彫刻の森駅から登山電車でひと駅、強羅駅まで進みます。強羅・小涌谷の宿は駅から近いので、チェックインの前後で慌てる必要がありません。荷物を置いたら、そのまま散策に出られます。
三花月なら公園下駅から徒歩7分、強羅館なら強羅駅から徒歩3分です。荷物を宿に置いてしまえば、あとは手ぶらで街を歩けます。
夕食は宿によって変わる
1日目の締めくくりは夕食です。三花月は素泊まりか朝食付きなので、夕食は強羅の街で自由に選びます。焼肉店や食堂が駅周辺に点在しているので、宿で相談してもいいでしょう。
強羅館は夕朝食付きなので、街へ出る必要がありません。食べ終えたらそのまま部屋に戻ってゆっくりできるのが、この宿を選ぶいちばんの理由です。翌日は早めの行動になるので、1日目の夜はしっかり休んでおきます。
【2日目】大涌谷から芦ノ湖へ正回り

2日目はチェックアウトしたら、もう宿には戻りません。ケーブルカーとロープウェイで標高を上げ、大涌谷を経由して芦ノ湖まで下り、海賊船と登山バスで箱根湯本へ戻る。これが箱根ゴールデンコースの後半です。ここでは正回りで回る場合の見どころと、時間の使い方をまとめます。
大涌谷で黒たまごを食べる
強羅からケーブルカーで早雲山へ、そこからロープウェイに乗り換えて大涌谷に着きます。大涌谷は噴煙が上がる火山地形で、黒たまごが名物です。一つ食べると寿命が7年延びると言われています。
売店で5個入りの袋を買って、展望台のベンチで食べるくらいの時間があれば十分です。長居はせず、次のロープウェイに乗り継ぎます。
海賊船で芦ノ湖を渡る
大涌谷からロープウェイでさらに進むと、芦ノ湖の北端・桃源台に着きます。ここから元箱根までは、海賊船に乗って湖を渡ります。甲板に出れば、天気がよければ富士山も見えるでしょう。
所要時間は25分ほどです。ロープウェイの窓から見た山肌とは違う、水面からの景色に切り替わる区間なので、座席よりも甲板に出ておくのがおすすめです。
箱根神社と平和の鳥居に寄る
元箱根で下船したら、湖畔から少し歩いて箱根神社へ向かいます。湖の上に立つ平和の鳥居は、箱根でも屈指の写真スポットです。順番待ちの列ができることもあるので、余裕を持って向かってください。
参拝と写真を済ませたら、登山バスで箱根湯本へ戻ります。前日にキャリーサービスへ預けた荷物は、湯本駅で受け取れます。これで2日間の移動がひとまわりして、出発した場所に戻ってきたわけです。
1泊2日の費用の目安

ここまでの交通費と宿泊費を、食費と荷物代も足して合計します。宿は三花月と強羅館の2パターンで計算するので、自分の予算に近いほうを見てください。ロマンスカーを使う前提で計算していますが、特急料金なしの快速急行にすれば、ここからさらに2,300円ほど下がります。
交通費は9,400円が目安
内訳はすでに見たとおりです。新宿発の箱根フリーパス(ロマンスカー特急料金込み)で9,400円。ゴールデンコースを一周するなら、この記事ではこの金額を基準にします。
特急料金を払わず快速急行にすれば7,100円まで下がりますが、その分は座席と時間を差し出す形になります。判断材料は前の章のとおりです。
宿泊費は9,900円〜31,900円
ここが総額を大きく左右する部分です。三花月なら一人9,900円〜12,800円、強羅館なら一人31,900円。差は20,000円以上あります。
| 宿 | 1名1泊の料金(税込) | 食事 |
|---|---|---|
| 温泉民宿 三花月 | 9,900円(素泊)/12,800円(朝食付) | 夕食は別途、街で食べる |
| 温泉ホテル強羅館 | 31,900円 | 夕朝食付き(別途費用なし) |
三花月は朝食付きでも12,800円に収まりますが、夕食が付かないぶん、街での食事代が別にかかります。強羅館は料金は高いものの、夕食まで宿の中で完結します。食べ終えたら出かけ直す必要がなく、そのまま部屋に戻ってゆっくりできるのが強みです。
荷物代はキャリー復路1,500円
前の章で説明したとおり、強羅・小涌谷に泊まると2日目のルートは湯本で終わります。宿から湯本駅まで荷物を運ぶキャリーサービスの復路、1,500円が実質必須です。これを人数分、忘れずに足してください。
食費を足すと総額はこうなる
最後に食費を足して、2パターンの総額を出します。三花月なら28,200円、強羅館なら44,300円になりました。同じコースでも、宿ひとつで総額が16,000円以上変わります。
| 費目 | 三花月パターン | 強羅館パターン |
|---|---|---|
| 交通費(フリーパス+特急料金) | 9,400円 | 9,400円 |
| 宿泊費 | 12,800円 | 31,900円 |
| 荷物代(キャリーサービス復路) | 1,500円 | 1,500円 |
| 食費(昼食・軽食) | 1,500円 | 1,500円 |
| 食費(夕食・街で) | 3,000円 | 0円(宿に込み) |
| 合計 | 28,200円 | 44,300円 |
※食費は昼食や軽食、夕食を含めた目安額です。実際の金額は店選びによって変わります。
- 三花月パターン:28,200円で費用を抑えられる
- 強羅館パターン:44,300円で1泊2日の相場(3万〜5万円)に収まる
- 駅近と食後すぐくつろげる快適さを取るなら強羅館、費用を抑えるなら三花月
三花月パターンは28,200円で、1泊2日の相場とされる3万〜5万円より少し抑えられます。強羅館パターンは44,300円で、この相場にしっかり収まります。駅から近く、夕食後すぐに部屋でゆっくりできる快適さを取るか、費用を抑えるかは好みの問題です。どちらを選ぶにしても、行く前に総額を出しておけば、現地で慌てずに済みます。
車なし箱根旅のよくある質問

最後に、箱根へ車なしで行くときによく出てくる疑問をまとめます。実際に調べて分かったことと、公式に公表されている情報をもとに回答します。
箱根は車なしでも回れますか
回れます。箱根登山電車・ケーブルカー・ロープウェイ・海賊船・登山バスの5つを箱根フリーパス1枚で乗り継げて、主要スポットもこの一周ルート(箱根ゴールデンコース)の上に並んでいます。
東京から箱根まで何時間かかりますか
最速は新幹線こだまで、東京から約1時間です。新宿からならロマンスカーが75分。乗り換えの少なさを取るなら小田急の快速急行で約2時間、高速バスなら2時間25分です。
1泊2日の予算はどのくらいですか
宿によって変わります。三花月パターンなら28,200円、強羅館パターンなら44,300円が目安です。どちらも交通費9,400円・荷物代1,500円・食費を含めた総額です。
一人でも泊まれる宿はありますか
あります。ただし強羅・小涌谷の温泉旅館は、1室の料金を1人で負担する形になるため割高になりがちです。この記事で紹介した三花月と強羅館は、どちらも一人1室での予約ができました。
逆回りではダメですか
問題ありません。この記事は強羅・小涌谷に泊まる前提で正回りを紹介していますが、湯本に泊まるなら逆回りのほうが荷物の面で有利です。宿の場所に合わせて選んでください。
日帰りでも楽しめますか
日帰りも可能ですが、移動だけで2時間15分かかるため、ゆっくり回るなら1泊をおすすめします。日帰りにする場合は、大涌谷か芦ノ湖のどちらかに絞ったほうが慌てずに済みます。
まとめ

箱根は、車がなくても十分に楽しめる観光地です。5つの乗り物が箱根フリーパス1枚につながっていて、主要スポットもその一周ルートの上に並んでいます。
この記事の要点を振り返ります。
- 移動は1泊2日の合計で約2時間15分(2日目の正回りだけなら1時間35分)
- フリーパスは一周するなら1,382円お得
- 宿は強羅・小涌谷、駅から近い宿を選ぶ
- 2日目の荷物はキャリーサービスの復路で解決
- 1日目はガラスの森・彫刻の森に寄り道できる
- 予算の目安は28,200円〜44,300円
旅程を決めるうえで最初に固めるべきは、行きの交通手段と宿の2つです。この2つさえ押さえれば、あとは現地で歩きながら決めても十分に間に合います。
三花月も強羅館も部屋数が少ない宿です。日程が決まっているなら、空室状況を先に確認しておくと安心です。週末の予定が空いているなら、次の土曜に出かけてみてはいかがでしょうか。




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